清華大学 Schwarzman Scholars 留学記

2019年9月より清華大学(Schwarzman Scholars)に留学。日々感じたことを綴っていきます。

オンライン教育を受けてみて思うこと

ようやく、ようやく卒論が落ち着いてきました。山場は越えた感じがします。引き続きオンラインで卒論や授業の受講をしています。

オンラインでの卒業関連の手続きは大学側にとっても大変なようで、卒論発表や卒業式の日程もまだ確定はしていないようです。そうはいっても恐らく卒業は6月末のはず。このブログもほとんど更新できませんでしたが、これから卒業までの期間、気づいたこと等を少しまとめて投稿する期間にできればと思います。

 

コロナの感染拡大による世界中の学生への影響は、やっぱりオンライン教育への移行ではないでしょうか。シュワルツマンも、以前投稿した通り、第3・4学期はZoomで授業をしています。

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(写真は学院公式Twitterより)

講義から知識をインプットするという点においては、私はオンラインで十分と感じています。もちろん教授を目の前に授業を聞く方が頭に残りやすい人もいると思うのだけど。
一方、ディスカッションはface to faceの方が私はやりやすいですね。日本語だったらオンラインでもあまり障害は感じないのかなと思いますが、語学面でハードルがある場合は、オンラインディスカッションで相手の顔が見えない場合、進んでいる議論に割って入っていくのは結構難しいです。

そんな感じで、オンライン教育を受けてみての個人的な感想をまとめてみました。

 

良い点

  • 通学時間の短縮。シュワルツマンの場合は寮も教室も全て一つの建物になっているので元から通学時間はかかりませんが、それでも自宅で受ける分、無駄な時間は最小限にできるでしょう。
  • 他の生徒の文章を読む機会が増える。ライブのディスカッション時間が必然的に減る代わりに、学校の掲示板上での書き物ベースの議論が増える。
    Article sharing といって、オンラインで見つけた報道記事や論文、youtubepodcast等のシェアをすることが成績の一部としてカウントされることが多くなりました。単にシェアするだけではなく、自身の分析や感想も書く必要があります。非ネイティブにとっては、ゆっくりと時間をかけて意見の発信ができるうえに、高い評価を受けている生徒の文章も読めるのでかなり勉強になります。
    普段は論文や記事ばかり読んでいて、他の生徒の文章を読む機会はそんなに多くないのです。学生によるエッセイのサンプルとかを読んでみたいと思っていたので、掲示板は参考になりました。
  • 授業のアーカイブが聞ける。これも非ネイティブにとってはありがたいです。私は未だに授業中に出てくる単語一つの意味がわからないともやもやした状態で聞き続けてしまう傾向があるので、停止して何度も聞き直せるのが便利ですね。
微妙な点
  • ディスカッション。特にお互い顔が見えない設定にしていると、進んでいる議論に割って入ることが難しくなります。ちなみに人数が多い授業だと、全員ビデオをオンにしていると回線が遅くなってしまうため、生徒は音声のみでの参加がほとんどです。
  • ちょっとしたことを聞ける友達が近くにいない。これ、結構大きいです。学校にいた際は友達と寮のコモンルームで勉強することが多く、論文を書く中で英語の表現で悩む場合は「この表現、合ってる?」など友人に気軽に聞くことができました。今は完全に一人なので、

    Grammarly

    というアプリを使ったりしてしのいでいます。Grammarlyの正確性については評価が分かれるみたいですが、ないよりは絶対あった方がいいと個人的には思います。
  • Field trip等の開催が難しい。シュワルツマンのField tripは運よく11月中旬に終えていた(私はアモイに行きました)ので影響がなかったですが、今年の前半に予定されているものがある学校の場合、開催は残念ながらほぼ不可能でしょう。新しい環境の全てを五感で感じ取ることも醍醐味の一つであると考えると、ヴァーチャルな手段での代替は残念ながら難しいと思います。
  • 実験等ができない/難しくなる。私はド文系なのでほぼ関係ないですが、理系の方は大変なんだろうと思います。

中国におけるオンライン教育の現状についても書きたかったですが、長くなってしまったのでまた別の機会に。